同級生で恋愛なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の同級生で恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月19日の時点で一番の同級生で恋愛なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.5 1 同級生で恋愛なアニメランキング1位
アオのハコ(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (71)
346人が棚に入れました
毎朝一番に会いたい人がいる―― 中高一貫のスポーツ強豪校・栄明高校に入学する、男子バドミントン部の一年生・猪股大喜。 大喜は毎朝、朝練で顔を合わせる一つ上の先輩、鹿野千夏に恋をする。 千夏は女子バスケットボール部のエースで、校内外問わず人気の高嶺の花。 部活に恋に勉強に、大喜にとって忙しい高校生活がはじまる、そんなある日――
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

7話 作画は万策尽きた?内容は中庸すぎて引っ掛かりがないです。

1話 同居しないとラブコメって描けないの?だったら別離で終えて欲しい。

{netabare} ラブストーリーかあ…作画に力入ってますね。一目でわかる女性原作のキャラデザ。髪の表現(当然アホ毛がない)と胴体の長さのリアリティですね。スポーツ少女の脚がそんなに細いわけねーだろということ以外は、悪くないキャラデザな気がします。

 それにしても、世の中のラブコメは同居しないと成立しない病にでもかかったんでしょうか。だったらラブが上手くいかないか、上手くいっても別れるのを描ければ尊敬するんですけど。私は中学高校の彼氏彼女は成長があれば別れるのが自然だと思います。

 少年ジャンプ本誌かあ…ジャンプならもっととんがった作品でもいいんだよ、と言いたくなる王道ラブストーリーですから破綻はないのかなあ…。女性原作者ならそれでも、その破局に成長を乗っけれらると思いますので、ぜひスポーツのためでも人間の成長のためでもいいですけど「上手くいかないラブストーリー」を見せてほしいなあ。この題材で上手く行くラブストーリーは創作上の逃げだと思います。{/netabare}


2話「タッチ」を思い出します。つまり王道少年誌ラブコメということでしょう。

{netabare} 新体操ヒロインと言えば「タッチ」あだち充氏ですね。あの作品も半同居みたいな部屋がありました。そう考えると同居というのも、古き良きラブコメの伝統なのかなあと思わなくはないです。近すぎる距離感もあだち充芸です。

 ストーリーとしては、ヒナの新体操にかける情熱をどう活かせるかですね。スポーツと恋愛がほんのりテーマになるならいいんじゃないでしょうか。ただ、残念ながら彼女は魅力的に描きすぎですね。負けヒロイン確定じゃないですか。

「タッチ」の達也もそうは見えませんが、死ぬほど努力をして結果的に弟に追いつきました。実はその熱血もモテる理由にもドラマにもなります。

 違うのは行動にいちいち理屈をつけて言葉で説明してしまうところでしょうね。あだち充はその辺の描き方のセンスが抜群でした。本作はどこに持ち味を持てるかでしょう。

 女性原作者なので少女漫画的な部分もありますが、構造は少年誌ラブコメの王道なんでしょうね。そのハイブリッドが売りになるのかもしれません。

 面白いかと問われると、どうなんでしょうね。「現代のラブコメとは?どう展開させるのか」というメタ的な興味はあるんですけど、行く末が想像でき過ぎるので、キャラに今後入り込めるかですね。 {/netabare}


3話 王道すぎてレビューしてもしょうがないかも。意外性があればまた書きます。

{netabare} 同居設定が活かせるてるかとか、セリフが多すぎるとか、若干言いたいことはありますが、まあ、少年誌的ラブコメとしてはやっぱり王道ですね。
 ライバルになりそうな先輩に彼女がもういるのはやっぱり女性作家ならではでしょう。ここで一回NTRが入ると非常に興味深い話になるんですけど。

 それは置いておいて、展開は新体操の負けヒロイン込みで予想が付きますが、そこではなくてエピソードで胸がキュンとなるのを楽しむタイプなのでしょう。
 私が見続けるかわかりませんが「少年ジャンプ」の連載だとするとそれが少年~思春期向けの正しいラブコメの在り方なんでしょう。

 レビューはその予想から外れて面白そうになったら、あるいはテーマ性が見いだせる何かがあれば、そしてNTRがあれば、またレビューします。多分そうにはならない気がします。{/netabare}


6話 モノローグいらない。俳句やモンタージュ効果のような内面から湧き上がる感情を作れていない。

{netabare} この作品を見ていて王道ラブコメなのに退屈なんだろう?というよりラブコメに見えないんだろう?と思っていました。もちろんコメディが弱いのはあります。ですが、ラブストーリー成分強めの作品はいくらでもあります。

 で、この退屈な原因がわかりました。女子側のモノローグが多すぎるんですよね。つまり、女子側が好きなのかどうかわからないという恋愛疑似体験のドキドキ感が全くないです。特に新体操の子ですけど「あいつと話したい」をモノローグで言うから安っぽくなります。

 例えばこの子は苦しい場面を見せたあと、つねに主人公を探すようなものを反復すれば、意識なのか無意識なのかわからないけど、この子は主人公がいるから頑張れるということです。説明する必要はないし、説明すると浅い感情にみえます。そう…切なさが表現できないと言っても良いでしょう。
 意識なのか無意識なのか、モヤモヤした状態に感情的なリアリティを感じます。そして、反復により視聴者・読み手の内面にしみわたってきます。こういう演出がほぼないです。

 そして、先輩の方も心のモヤモヤを階段に座って一人でしゃべっちゃってます。ここは風景描写だけでいいんじゃいのかなあ…

「プレバト」というテレビ番組で俳句のコーナーがありますが、そこでよく先生が言っているのは風景を描写するのが俳句だということです。感情や動きを説明してはいけません。
 これは映画でもマンガでもアニメでも通じる部分があると思います。モンタージュ効果に近いものがありますが、読み手の内面にある経験や情報と結びついた情動と、展開している物語の風景描写の連続から生まれる意味とリンクして深い感動に繋がるのだと思います。

 あだち充氏や庵野秀明氏はこれを多用します。多用しすぎて鼻につきますが、しかし、一方ではだからこそ何かを感じるのです。(追記 本当の意味でのモンタージュ効果はあだち充氏。庵野秀明氏は象徴にしてしまっている気もします)

 その意味ではヒロインがしゃべりすぎれば説明文にしかなりません。つまり、キャラの感情が外部にあって視聴者の内面とつながりません。だから、作画が良くても、映像表現を工夫しても意味がないです。絵柄を頑張って作画しているのに、その絵柄の意味が喪失しています。同じような展開の作品はいくらでもありますが、そういところで本作は退屈なんだと思います。

 そういえば「義妹生活」もカメラワークと演出をがんばっていたのに説明してしまうから浅い話になっていました。女子のセリフを7割カットすれば感動は読み手に委ねられたのに、と思います。裏を返せば、つまり読者・視聴者を信用していないということです。

 本作は、逆に女子のモノローグを全部消せば、現状とまったく同じ作品でも深味が出る可能性すらあります。

 もちろん、主要メンバーたちがいい子過ぎるのもキャラ論として問題です。ただ、そこは昔からあると言えばありますから目は瞑れる部分かもしれません。{/netabare}


7話 作画は万策尽きた?内容は中庸すぎて引っ掛かりがないです。

 紙芝居?作画が動きませんでしたね。万策尽きる前兆なんでしょうか。まあ、それは制作の都合でしょうから内容とは切り分けた方がいいでしょう。

 本作の原作コミックは大変売り上げが高いそうですね。つまり性別年齢に関係なく支持されるということ。言い換えると内容がマイルドでストレスがなく分かりやすく、エモい、感動を適度にいれている、と言えるのではと7話まで見て思いました。特にジャンプ系はアンケート方式に頼っているのでこの傾向が強いかなと思います。

 この作品を楽しんでいる層というかボリュームゾーンからはそこが評価されているでしょうし、それはまったく否定しません。少女と少年に受ける作品が基本的には爆発的な売り上げになりがちです。そういう層がアニメを支えているのも事実でしょう。

 ですが、作品の質としては、ここにきてアンケート方式の功罪は感じますね。「ダンダダン」ですら、なんか出会いの鮮烈さを失ってどんどんマイルドになって行ってますし…ヒューマンドラマの引き延ばしとか過去回想が始まるのでしょうか?それを言うならドラゴンボールからしてそうですか…まあ、時代というよりやっぱりジャンプ系ですね。

 少年ジャンプの掲載順を分析すると24年11月上旬で1位ワンピース2位アオのハコ3位サカモトデイズ4位あかね噺5位逃げ上手の若君だそうで、要するにこれらの作品は私は避けた方がいいということでしょう。

 何が言いたいかというと、中庸すぎて引っ掛かりがないので視聴中断します。中庸はある意味高度な人間の状態なんですけど、創作物だと特徴がないとうか…否定すらできないというか…なんか低評価の点数も違う気がしますので、オール3のままにしておきます。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 13

ぽむお さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

2クールで突然化けた。トムスさん許して。

2025.1.10修正、3.2→5.0
トムスさん、疑ってすいません。原作者の三浦糀先生が信頼してる制作チームが、間違った映像化をするはずがなかった。1クールは物語の性質上それぞれのキャラの説明や背景、イントロ的な意味合いが強いことに気付かず、テンポが遅いだの酷評して本当にすみませんでした。
13.14.15話と、作画・声優の演技・劇伴、全てが完璧な神回が続いています。第1期のラストは間違いなく、雛のあの合宿のシーンでしょう。その後に流れるTOMOOのエンディングを思うと、涙せずにはいられない。
海外のアニメサイトでも安定して常に3位以内を獲得しており、2期制作はほぼ確定。覇権は取れずとも、確かなファンが根付く素晴らしい作品になりました。トムスさん、このまま駆け抜けてください。

(旧レビュー)
先に言っておくと、自分は原作を最新話まで読み続けているガチファンで、OP映像が公開された時などはそれこそ期待値は最高潮でした。
が、八話まで見たところで断念。どんなに原作ファンでもこれは擁護できない。最大の理由はキャラクターの会話のテンポ、ストーリーの進め方の緩急。これがテレコムアニメーションズ制作チームが全然原作の良さをわかっていない。千夏先輩を可愛く描こうとしすぎるとただの少女漫画チックな展開になってしまう。スポーツの硬派な雰囲気の中で、さらっと描かれる可憐さやイタズラっぽさが読者の興味を惹き続けているのに、ねっとり赤面の描写とかしてしまえば、ただのチープなラブコメに格落ちしてしまう。会話のテンポはもっと早くできるし、大喜はもっとかっこいい男だったはず。
アオのハコのアニメを見て「これが覇権予想されてたの?」と疑問に思った方は、原作を読んでください。なぜジャンプで長らく人気を博してきたかがわかるはず。そして気づくのです。悪いのは作品ではなく、アニメ制作会社だということに。
テレコムさん、ルパンの時の素晴らしさをもう一回再現してください。ファンを失望させないでください。このクオリティで12巻の内容まで描くというならば、流石に原作ファンが黙ってないと思います。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 4

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

負けヒロインがエロ過ぎる!

ジャンプにもついに同居ラブコメが!
ご都合妄想ラノベ成分を一般誌に輸入した最新型正統派ラブコメ

OP・堂々たる大物感もあるくせに聴きやすい、まだ人気なのすごい
ED・マルチな才能はもちろん華々しい経歴、どこのボンボンだよ

01
ああーキュンキュンするんじゃあああってか

一般誌でも深夜ラノベ的な要素を導入した作品が人気っぽい風潮。売れてるのは知ってたが、これも見た目に反して周到な計算高い設計に感心する。マガジンは最初にドカンとカマしてくるインパクト重視だが、流石にジャンプでトンチキラブコメをやるわけにはいかない。ダンダダンもそうだけど王道正統派を装いながらもしれっとアクの強い要素を忍ばせてくる最新技術。あからさまな都合の良さを開き直って楽しむマガジンラブコメとはちがって、こちらはミックスとかブレンドとかで溶け合ってる感じ。

作者がガチで描けるのはバドミントンのみ。しかしそれでは売れない。師匠の元で勉強した人気スポーツのバスケで読者の間口を広げ、当て馬キャラにはエロ要素として新体操。全ての種目にきちんと機能を持たせ、なおかつバラエティを担保することで刺激を増やし、入り口をも広げることにも貢献。バド経験者の作者によるスポーツマンシップのリアリティ、アシスタントで培った本格バスケ描写、新体操は生足目的なので取材程度の解像度でOK。類稀なるバランス感覚。すごいすごすぎる。

女性作家によるジャンプラブコメなのでラノベ作家のキモさがない。カメラワークというか主人公が惚れてるチカを見つめるカットでの彼女を追う視点の臨場感に、自身の青春時代を想起させられる読者も多いでしょう。健全なダンスィーはガン見して当然。距離の詰めかたが下手くそなのも当然。生足出してるヒナにキョドらない関係性もきちんと画面で説明できてて上手い。めちゃくちゃ都合のいい世界観なのにあまりにさわやかなのでマジで嫌味がない。すごい技術。

掴みが完璧な怒涛の展開。年頃のオスなんかビジュアルだけで惚れるもの。最初からクライマックスのガチ恋で開始から好きですって言われてもああそうですかで済んじゃう。オスの友人キャラなんてただの装置でしかないので初回に映してもノイズなだけ。まずヒロインに全振りしてほらほらかわいいだろう、タイキが惚れるのも納得だろう?とシンクロ率を上げていき、サブヒロインをチラ見せしてチカがあまりに普通すぎて興味の持てない層にはコテコテのあざとい当て馬キャラで拾い上げていく二重構造。完璧すぎる。

あれだけハードな反復練習してるのにずっとパーカー着てるのなんで?暑くなんねえの?特異体質なの?とかは一瞬思うだろうが、最初から生足のヒナとの対比ィィィなんでしょう。パーカーはッ主人公との距離感を服の厚さで表しているッ表しているゥ表現しているッ的な。個人練習でユニフォームも変だけど、薄いTシャツでエロい性的搾取感を出したくない都合でしょう。あくまでチカの懸命さに惚れてるということになってるので、最初に女性らしさ、性的な魅力が全面に出てしまうとノイズになってしまう。

ヒナはだれがどう見てもわかりやすい負けヒロインなので派手に散ってはギャン泣きしてハナチャンけなげ…せつない…ああかわいそうかわいそう泣ける…みたいなご褒美がミエミエで期待感を煽る。アニメ=深夜アニメな層にもきちんとブヒれるご馳走を用意する周到さ。わかりやすい。まずはメインの3人に絞ってガッツリたっぷりと説明するに特化したこの初回の構成はあまりにもお見事。これがウリです!が明確。わかりやすい。情報の取捨選択の見事なバランス。さすがはジャンプ。そのうえ中高生に見せても大丈夫な健全さで親が買い与えても安全。メインターゲットの中高生の親の世代も漫画に対する理解や解像度が高い世代なので、2世代でも安心して楽しめる作り。逆に言えば薄いということになるがジャンプなのでこれでいい。薄い=誰が見てもキモくないということ。

はい、これは売れるし売れていい。

追記
バドミントン、バスケ、新体操、と3人のスポーツが室内競技だから体育館は青春装置って意味で「アオのハコ」ってことですかー。いやーうまいこというねー。説明タイトルの亜種的な大喜利タイトルだったとは。なるほどー。体育苦手民には出てこない発想だわなー。

しかし体育が苦手な人間にとっての体育館は自己の劣等感を加速させる負の思い出しか生まない呪術装置でしかないので、この一直線にキラキラした作品は体育会系一軍リア中にか刺さらんということなのかな。しかしこの作品がきちんと売れていると言うことは今の世代は体育憎いって人が少なくなってきている?マガジンレベルのそうはならんやろ的な舞台設定だからこそメルヘンファンタジーとして楽しめているのかも。

スラダンなんかはラブコメを排した超人バトルなので自己投影できなくても問題無かった。体育が出来る上澄みのリア充同士でラブコメされても感情移入デキナイーになるので晴子を蚊帳の外にした進路変更が功を奏したのは編集者の手腕。

絶賛青春期の学生たちは「うおお、今、俺はアオのハコにいるぜえー」とみなぎってくるなにかしらの手応えみたいなものを自覚しやすくなるのかもしれない。名付けって大事。意識しやすくなるからね。

家でも全く気が休まらんというかものすごいメンタルトレーニングになるのかも。しかし並のメンタルの凡人では潰れてしまいそう。この状況で結果をだせるのはさすが少年漫画の主人公のなせる技ってか。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 2

76.6 2 同級生で恋愛なアニメランキング2位
イエスタデイをうたって(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (484)
1761人が棚に入れました
大学卒業後、定職には就かずにコンビニでアルバイトをしている"リクオ"。特に目標もないまま、将来に対する焦燥感を抱えながら生きるリクオの前に、ある日、カラスを連れたミステリアスな少女―“ハル"が現れる。彼女の破天荒な振る舞いに戸惑う中、リクオはかつて憧れていた同級生“榀子"が東京に戻ってきたことを知る。

声優・キャラクター
小林親弘、宮本侑芽、花澤香菜、花江夏樹、鈴木達央、坂本真綾、寺島拓篤、洲崎綾、名塚佳織、堀江瞬、小野友樹、喜多村英梨、前川涼子、遠藤大智、大塚明夫、小形満、川島得愛、小林千晃、田中宏樹、西山宏太朗、藤原夏海、本田貴子、諸星すみれ、天海由梨奈、村井美里
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ゆらぎ(※配信限定エピソードを再視聴して)

アニメーション制作:動画工房、
監督・シリーズ構成・脚本:藤原佳幸、
副監督:伊藤良太、脚本:田中仁、
キャラクターデザイン・総作画監督:谷口淳一郎、
総作画監督:吉川真帆、原作:冬目景

作品タイトルと同じ、10話からのED主題歌が印象的だ。
ブルージーなギターからは60~70年代の薫り。
調べてみるとRCサクセションの
初期の曲のカバーだった。
発売はやはり1970年。
『イエスタデイをうたって』は、
ビートルズの『イエスタデイ』を歌って欲しいと
せがむ少女についての曲だ。
ちなみにビートルズの『イエスタデイ』は、
母を失ってしまった今の自分は、
失ってしまう前の昨日の自分とは
全く変わってしまったという深い哀しみの曲。
『イエスタデイをうたって』という作品のタイトルは、
原作の冬目景が最初に考案したものを
編集者にダメ出しされて思いついたものだった。

主人公は、大学を卒業しても自分探しのために、
モラトリアムな状況を続けている魚住陸生。
いかにも、ひと昔前の人物像だ。
ある日、鴉を連れた少女・野中晴(ハル)と
アルバイト先のコンビニで出会ったことで物語が始まる。

1話ずつの完成度がとても高い。
感情の機微を丁寧に掬い上げていく。
まるでオムニバス形式に感じるほど、
序盤は余韻を残しつつ完結し、次の物語へと続いていく。

ひと昔前の年代を感じさせる時代背景。
携帯電話がなく、黒電話やカセットテープなどの
グッズが懐かしい。コンビニに外人がいない。
若者の思考にも時代性を感じさせる。
自分自身が青春時代を過ごしたころなので、
余計に感慨深くなる。
視聴すると昔の感情が呼び覚まされる。

振り返ってみると、舞台となっている02年ごろは、
バブルがはじけたといえど、
経済的にはまだ安定していて生き方の自由度が広がり、
価値観がより多様化した時代だった。
私たちは自分に正直に生きることを望み、
本当に大切なものを手に入れようとあがき続ける。
自身の心に問いかけ続けるあまり、何もできなくなる。
でも、欲しいものが必ず手に入るとは限らない。
人はどこかで、その望みに折り合いをつけて
いかなければいけないが、それをできる人と
できない人にはっきりと分かれていく。
なぜかと言うと、いつまでも追い続けることが
可能なほど自由度が高いから。
だから、動き出しても、またすぐに
立ち止まってしまうことになる。

そんななかでも人は年を取るごとに
何かを得て、何かを失いながら変わっていく。
2度と戻ってこないものもある。
懸命に生きているときはそれに気づかない。
何かが終わっても、ただ寂寥感だけが積もっていく。
でも、私たちは進み続けていくしかない。

主要人物はほぼ4人だけ。
彼らは皆、長い時間をかけた行き場のない心を抱えている。
物語が動かないため、退屈だと感じる人も多いだろう。
しかし、停滞しているようでも
登場人物の心は、いつもゆらいでいる。

空気感の演出が抜群に優れている。
桜の儚い美しさ。一方通行の想い。
「死」を身近に感じる状況。
哀しみがこみ上げる瞬間。
二度とは戻ってこない日々。
そのときのシーンに応じた劇伴も効果的で、
観ている者の心を動かす。
繊細で大切なものが零れ落ちていく。
目や手の動き、仕種、ちょっとした沈黙。
心を映しているような描写だ。

彼ら4人はずっとゆらいでいるが、
周囲の人々は、決意して前に進みだす。
ハルの同級生の湊航一や陸生の元恋人の柚原チカ。
決着をつけて自身のなかに何かを見出す。
陸生自身も少しずつではあるが前進しようとする。

軸は4人のラブストーリー。
とはいえ、この作品の核の部分は、
陸生と榀子の心情のゆらぎにある。
自分の心の在りかをずっと探っている。
似たもの同士、受け身気質のふたりが
歩んでいく方向を見つけるために
真剣に迷い続ける物語といえるだろう。
そう考えると、納得感のあるラストだった。

陸生の気持ちのゆらぎは、
世田谷線の車内での独白に集約されている。
自分で自分の心が分からない。
正直さ、誠実さを突き詰めようとすると、
自分の本質がゆらいでいくように感じる。
それでは、どうしたらいいのか。
物事を論理的に考えるのではなく、
感覚的に捉えることだ。
自分の心がどこにあるのか。
もっとシンプルに考えるべきだ。

{netabare}ひとつ残念だったのは榀子の心の動きを
描き切れていないこと。
2話からずっと榀子の心模様を
繊細な描写で追ってきたのに、
最後の段階では、井の頭公園での陸生の言葉に
全て任せきりになってしまっている。
アニメを観ているだけだと、榀子がどのように
自分自身に決着を付けたのかが理解できない。
もちろん、想像することはできるが描写不足は否めない。
だから榀子だけが身勝手な女性に見えてしまうが、
個人的にはとてもリアリティがあるし、
現実の人物像もひとりふたりは思い浮かぶ。
作者がどのように捉えているのかは関係なく、
情の深いキャラクターだと思う。
原作は未読なので分からないが、
単純に尺が足りなかった可能性もある。
ラストに向けては、2話分くらいかけて
ふたりのやり取りを突っ込んで欲しかった。{/netabare}

タイトル面から作品を考えると、
ハルが主人公のようにも思える。
そもそも作者が最初に考案していたのは
「ハル」というタイトル。
{netabare}ハルは陸生に近づいたことで、
以前よりも臆病になってしまい、
自分が変わってしまったことを自覚する。
これは『イエスタデイをうたって』の詩にもつながる。
だとすると、この作品はハルや浪の変化を
目の当たりにした陸生と榀子が
それに押し出されるようにして
一歩踏み出そうとする物語とも言えるだろう。{/netabare}

原作の量からすると、1クールでは厳しかった感はある。
ショートアニメ&ラジオドラマで補完しているが、
若干の消化不良感は残った。
ただ、作品は全話を通して、とても丁寧な仕上がり。
それぞれの動きや言葉にリアルを感じる。
懸命に生きている人間の息遣いが聞こえる。

4人が歩み出す先にささやかな幸あれ。
(2020年7月4日初投稿)

原作を読了して(2020年8月9日追記)
{netabare}ここのレビュアーさんから、アニメとは大きな違いがあり、
とても良い作品であることを聞いて原作購入。
つい先日、読了した。

漫画を読んで再認識したのは、
アニメの完成度がとても高いことだった。
漫画を読んだ後に自分のレビューを再読したのだが、
この作品に対して感じたことは、
原作読了後も基本的には変わっていないし、
大切な部分は、ほとんどアニメでも
表現しているのではないかと改めて思った。
もちろん、漫画とアニメとは表現方法が違うため、
コマで感じることのできる微妙な「間」や
心情のゆらぎは、圧倒的に漫画のほうが優れている。
11巻も巻数があるので、登場人物も多いし、
人間関係も複雑になっている。
最初のレビューで書いたように榀子の心情について、
アニメでは圧倒的に描写不足。
しかし、それにも関わらず、私のアニメに対する感想は、
漫画を読んだ後でもほとんど変わりはなかった。
それは、凄いことではないだろうか。
アニメでは、漫画で登場する重要なふたりの人物を
完全にカットして物語を短くしているにも関わらずだ。

例えば同じように原作を短くしたアニメを視聴してから、
原作を購入した『はねバド』という作品がある。
放映時には原作が未完だったので、
全く同じ状況ではないが、原作を大幅にカットして
物語を再構築したことは同じだ。
こちらもアニメは、なかなか面白かったが、
作品としては全くの別物といっていいほど
原作とは違ってしまっていた。
再構築とは普通はそういうものだろう。
しかし『イエスタデイをうたって』は、変わっていないのだ。
作品をじっくり咀嚼して大切な部分だけを残して
アニメとして作り上げている。
スタッフの多くは原作のファンという話を
どこかで読んだが、それは原作とアニメを
両方味わってみれば、とても納得できる。

漫画とアニメにおける大きな違いは「時間の流れ」だ。
この物語のひとつの軸は、陸生と榀子が出会って
別れていくまでの話になる。
長年、片思いしていた陸生が榀子を手に入れながら、
そこで葛藤して別れを決意するまでには、
劇的な出来事でもない限り、それなりの時間や葛藤が必要だ。
ところがアニメでは、付き合ってから、
大した理由もないのにすぐに別れてしまう印象。
じっくり物事を考える陸生の性格からすると、
あり得ない展開ともいえる。
それは榀子についても同様だ。
榀子は、自分の感情と理性の間でずっとゆらいでいるわけだが、
アニメを観ていると、それまでのスローな時間が
最後になって急加速して自身も納得するという
どう考えても受け入れがたい流れになっている。
ただ、これは尺の問題であって、
限られた時間のなかで、スタッフは最良の仕事をしたと
漫画を読んで感じた。

それでは漫画はどうなのか。
アニメ同様、繊細な心情描写を
時おりオーバーアクションを挟みながら独特のリズムで
紡いでいく。バックボーンとして私が感じたのは、
冬目景が大ファンだったという高橋留美子だ。
高橋留美子は、80年代に女性漫画家が少年誌に
連載するという画期的な立ち位置を確立した人物。
同じ女性漫画家として目指す人だったようで、
冬目景も当初はギャグ漫画を描いていたそうだ。
だから、この作品でも若い巻数のころは、
ギャグテイストに共通点のようなものを感じさせる。
それと、何人かの人も指摘していたが、
榀子=響子さんというのは、影響しているだろう。
私が感じたのはハル=ラムだった。
作者は意識していないかもしれないが、
やはり自分の好きな作品の影響は
どこかに出てくるものだ。

また、これは私の勝手な想像だが、
高橋留美子が自身を投影していたのは、
しのぶであり、響子さんであり、あかねであり、
かごめであるのだが、『イエスタデイをうたって』でも
自身を投影して、思い入れが深いのは、
榀子ではないだろうか。
作者自身はインタビューで榀子を「毒」と呼んでいるが、
これはある意味、自虐だから言えるコメントであって、
自分のなかにある「面倒臭い」部分を
抽出した人物像ではないかと思っている。

榀子の「純粋な無自覚」が相手を傷つけるのは、
多かれ少なかれ、人間関係のひとつの形だ。
榀子は世話焼き女房のような性格で、
自分の近しい人の部屋を掃除したり、
料理を作ってあげることを全く厭わない。
それが浪の父親にいつまでも頼られる
原因にもなっているが、
無意識に人の世話をすることで、
相手から好意を持たれてしまう。
しかし、その気持ちに最終的に応えることはない。
確かに考えるとなかなか厄介だ。
陸生が榀子を好きになった銀杏のエピソードも
そういう榀子らしさがよく出ている。

漫画とアニメとの最大の違いは、
陸生と榀子が関係を解消することになった
心情描写だ。漫画のほうが積み上げる
エピソードが長いので、
読者の心にも同じように積もっていく。
陸生がハルを想う気持ち。
榀子の場合は、ライバルの莉緒が登場してからだが、
その複雑な心情は繰り返し描かれる。
しかも、その対比として雨宮とみもりという
幼馴染の関係性もクローズアップされる。
徐々に焦点が合ってくる感覚がある。

決定的な出来事は、陸生の兄の結婚祝いに
まつわる部分で、陸生がキスをしようしたとき。
陸生の手が紙切れにふれることで
ハルに対する気持ちのゆらぎが表現される。
榀子は、表情や仕種によって
我慢のようなものが描かれる。
そういう意味では、陸生の決断は納得できるものだった。
そして、リアクションや表情、
自宅に戻った後の描写によって
榀子の気持ちも明らかになる。
このシーンはよくできているが、
時間的な理由でアニメでの表現は難しかっただろう。

ここまで、ハルのことをほとんど書いてこなかったが、
私が思うに、ハルはラムであってファンタジーなのだ。
どちらかと言うと、こういう子がいたら可愛いなと
思わせるキャラクターで、あまり実在感はない。
高橋留美子は最後までラムのことを
自分では理解できないキャラクターだったと語っている。
それは冬目景にとってのハルと
似たようなものではなかっただろうか。

表向きの主人公はハルだが、
やはり真の主人公は榀子だったのだろうというのが
漫画を読了したときの感想だった。
漫画本編のラストは、榀子が桜を眺めながら
穏やかな表情で歩く姿なのだから。{/netabare}

配信限定エピソードを再視聴して(2023年4月16日追記)

{netabare}放映当時にアニメを補完する物語として
配信限定で観ることのできたエピソードが
改めてdアニメストアで再配信された。
それを観ていて感じたことがあったので追記したいと思う。

この作品のアニメ本編は、分かりやすくするために
原作とは違ってほぼ4人の登場人物に絞っており、
いろいろなことを内省することをメインに構成されている。
私は、この作品を観ていて、
時代背景などから懐かしさを感じていたのだが、
別の側面から捉えると、多くの人々が「常識」と考える
男女関係の在り方そのものが
硬直化していた時代でもあったのだと思った。

この作品の時代背景は2002年ごろだと先のレビューで記したが、
それは作者がインタビューで答えていたもので、
実際にこの作品に通底している時代は、
70年代から80年代ごろではないかと感じる。
そもそも『イエスタデイをうたって』という
古い曲をタイトルにしていることだけ考えても
作者の心のなかにある時代が想像できる。

だとすると、この作品に対する見方も少し変わる。
陸生と榀子は、お互いのことが好きだと思って
付き合い始めるのだが、それは陸生がハルという
年下の少女のことを好きだという感情を
封印するためだったと考えることもできる。
榀子の場合は死んだ恋人の弟で、学校の生徒でもある浪に
特別な感情を抱くことは、社会の常識から外れた行為だと思ったために
陸生からの告白を受け入れたともいえる。
ふたりの男女が「時代の常識」に囚われた結果、
最初から「愛」というものを勘違いしていたのかもしれない。
個人的には、これが2002年という年代なら納得ができないが、
70年代~80年代の時代背景なら妙にしっくりくる。

そのことを象徴しているといえる
配信限定エピソード内にある陸生の独白を紹介しよう。

男女の友情は存在するのか。
そんな答えのない永遠の謎に
大人になれないオレは、自分の感情を誤魔化しながら
自分の都合のいいように生きてきた。

これはオレの悪い癖だ。
自分の好きなカメラだって、諦めるわけでもなく、
ただその欲求をずっと抱えていた。
答えを出すのが怖くて、答えが出るのが怖くて、
結末が怖くて、ずっとこのままでいいと、
いつか忘れてしまうことを待っていたんだ。
それは居心地がいいようで、息苦しい空気が漂っていて。

何かに変化を求めていた。
何かに期待していた。
変化を求めながら、自分から変われない自分が情けなくて、
そんな後ろ向きな動機でしか頑張れない自分を変えようとした。
その結果、自分のことしか考えていなかった結果、
傷つけてしまった。

失ってから気づくような愚か者で、
これからも同じような過ちを繰り返すかもしれないけど、
オレにできる限り大事にしますので、
これからもよろしくお願いします。

ハル:60点。
陸生;え!?
ハル:前半、榀子先生とのことじゃん。
言い訳ばっかじゃん。
大事な私と具体的にどうなりたいかが明確じゃない。
やり直し!

先ほどの独白は、陸生のラブレターなわけだが、
アニメオリジナルの部分。
しかし、このアニメをとても上手く表現している。
今さらこんなことをまた書いてしまう私は、
やはり、この作品のことが好きなのだと思う。
これまで、お気に入りの棚に入れるのは、
自分の総合点が4.6点以上の作品と決めていたが、
この作品は、例外としてお気に入り作品にすることにした。 {/netabare}

投稿 : 2025/02/15
♥ : 87

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

愛とはなんぞや?

久々に自分が求めていたアニメに出会えました。

時代背景が2000年代で勿論インターネットもあまり普及してなく、携帯電話も無く、実際に会いに行くという時代。だからこそ伝わる心の想いや、悲壮感など。とにかく時代背景を上手く活かしています。

タバコの銘柄が昔だったり、コンビニの品揃いが良い意味で悪かったり、何よりどこでもタバコが吸える時代なので主人公の喫煙シーンにはかなりこだわって作っていたのではないかと感じました。

キャラに関しては全員が良い感じにめんどくさく、良い迷惑と言いたくなるくらい真っ直ぐな青年期と、年頃の大人の汚い所を上手く表現されています。
キャラに苛立ちを覚える度に、動画工房さんの掌に乗ってるな〜と思いました。

キャストの方々達はとてもキャラクターに合っていました。小林親弘さんの声が良い意味でどこにでもいそうな感じですごく聞いていて心地良かったです。

2000年代と言っても、黒電話やおそらくスーファミなど、主人公のリクオは昔の物をずっと使い続けるタイプなんだろうなと思いました。性格を上手く部屋のオブジェクトなので再現していた。

無言のシーンの演出が素晴らしいです。部屋に響く暖房の音、空気、息遣い、という微妙な演出が良いので個人的には是非イヤホンかヘッドホンをして視聴していただきたいです。

曲に関してはOPが無くEDに3つの曲を持ってきている。このOPがあえて無いというのが、またこの作品のお洒落さを引き立てていると感じました。
EDの3曲は個人的にどれもビーフジャーキーのように、聴けば聴くほど味が出てくる曲だなと感じました。どの曲も作品を上手く表現しています。

ですが何より僕が推したいのが"劇伴"です。この劇伴がとても素晴らしかったです。キャラクターそれぞれに特有の劇伴があり、切なさや年頃の男女の物思いに耽るシーンをピアノで繊細に表現されていたり、リクオの朝や仕事の雰囲気を感じるものをアコギで制作されてるものなどがあり、個人的にこの劇伴で作品の半分は決まっていると感じました。未だにサントラを発売していないのが不思議でなりません。

2000年代の青春群像劇というのがまた新鮮で、今の時代の物と比較してみるとやっぱり携帯電話が無いというだけでこんなにも美しさが違うんだなって思いました。もちろん携帯電話がある今の時代を悪いとは言いませんが、携帯電話で欠けてしまった美しさというものがやはりあったのかな。と思いました。
今とは違う2000年代前半の恋愛模様を感じることごでき、さまざま年齢層によって感じ方が違う作品になっています。

ただ漠然と見るのではなく少しの描写に強く力を入れている作品なので、そこを注目して見ていただきたい。

登場人物の強い所、ダメな所、嫌な所、人と人との心を繊細に描いている作品。最後の最後まで「愛とはなんぞや?」というテーマが根底にあることを忘れさせない。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 31
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

(音無響子+関口さとみ)÷2ってどう?

原作未読 18年かけて完結した名作らしい


つくづく携帯電話というツールが青少年の恋愛模様に与えた影響は計り知れないものがあると思う。
コミュニケーションの取り方が今とまるで違う。

 『ポケベルが鳴らなくて』とその主題歌のヒットが93年
 初期費用10万円越えだが携帯電話が小型化したのが94年
 PHSのサービス開始が95年
 それに引きずられて携帯初期費用の下落が起きたのが96年
 契約台数200万台から一気に10倍規模へと拡大した97年
 99年に11桁化へ

私の場合、世の女子はポケベルかピッチ(PHSのこと)かなにも持ってないかみたいな時期に大学入学し卒業年次には皆さんおおかた携帯電話を持ってたかなぁという過渡期に学生生活を送ってます。振り返ってみると移動端末を持ってない女子には独り暮らしでもしてない限りアタックすることは無かったような… 逆もしかりで「携帯持ってない」はひとつの断り文句として通用するようになりもしました。

 “チャンスが失われる”

若者にとっては死活問題。端末が手に入れやすい価格帯になってあっという間に10倍以上の規模となった裏には下心あり。かようにわずかニ、三年で恋愛のルールに大転換が起きたのです。


本作の連載開始が98年1月。構想期間などリアルタイム反映は難しいにしてもすでにNO携帯な恋愛劇はやや時代遅れ感なきにしもあらずなタイミングです。
作者冬目景の生年は1970年。物語の主役が大卒直後のフリーターであって作者とリンクさせるなら92~93年頃と携帯端末勃興前夜の計算になります。原作者が自信をもって世に送り出せる恋愛劇に携帯というガジェットは辞書に載っておりません。単純に消化して落とし込むことができなかったのではないかと思われます。
ディスりではなくて、なんとはなしに肌感覚でNO携帯な恋愛劇を描いた最終世代の作品として貴重なのでは?と思いながらの鑑賞でした。推定'96大卒くらいまでがリアルに感じる恋愛物語と言えましょう。

現在でもやってやれないことはないでしょうが20年も経てば、当時を知る若者は中年/壮年になり恋愛する感覚が追いついていかない部分あるだろうし、リアル若者は取材した上で落とし込む作業が必要なんだろうなあとぼんやり考えてました。
肌感覚でイメージしづらい若人の皆さんでも手っ取り早くどんなものか知る方法はございます。動画とかで『JR東海 X'MAS EXPRESS』のCMをいくつか見てみたらいかがかと。60秒でNO携帯時代の恋愛のクライマックスを垣間見ることができると思います。


時代背景の前フリが長くなりました。作品に戻ります。

 『49%うしろ向き、51%まえ向き』

水前寺○子がニコニコしながら歩いてきそうな大きなテーマがまずはそこにあります。
繰り広げられるのは主要メンバー男2名女2名計4人の恋愛劇で登場人物はこちら↓

魚住陸生(CV小林親弘)
野中晴(CV宮本侑芽)
森ノ目榀子(CV花澤香菜)
早川浪(CV花江夏樹)

主役は大卒フリーター魚住陸生(リクオ)♂。その同級生、新卒で高校教諭の榀子(シナコ)♀。シナコの教え子だったが高校中退した晴(ハル)♀。シナコの実家金沢からの縁、浪(ロウ)♂。で、この狭いコップの中でいろいろやり合うわけでございます。
主役はなんとはなしに“陸に住み生きる魚”よろしく居場所がなく所在もなさげな青年。それでも“野”中や“森”ノ目と陸の上に安住の地を求めてるからなのか苦しんでしまう。そんな印象を受けた序盤です。
{netabare}※早“川”ならラクじゃんと腐女子が鼻血出しそうな展開を想像しかけたがあえてスルーしとく。{/netabare}

作品のキャッチコピーから
主役名からの類推(妄想)から
そして作品タイトル“イエスタディ”から

すっきりせず停滞しそうな物語を約束されたようなものであり、事実そんな感じの全12話でした。12話分を俯瞰するとやや途中の説明不足や強引な終幕を残念に感じる一方で、

{netabare}よくもまぁこの短尺で“恋愛の停滞感”を出せたなぁ…{/netabare}

むしろポジティブに受け止めたい。感心することしきりでした。約束された“停滞”はおそらく原作でも鍵になってるんでしょう。そのへんをアニメスタッフが大事に扱っていることを伺わせるような作り方をされてたと思います。

この褒め言葉としての“停滞”を生んだのは明らかに二点。
7割方は主人公らのパーソナリティ。これはネタバレで各人個別に後述します。こっちがやきもきするような優柔不断な二人が中軸なので話が進みません。
残り3割はツールの不備。先述の携帯端末がないことに起因してます。即時そして直接のやりとりが減るためすれ違いが生じやすくなり、当人らの性格もあいまって話が進みません。


 2%前に進んだ(かもしれない)恋愛群像劇


“即断即決”の2020年代を生き抜く私たちにとって、“すれ違い”や“空白”。行ったと思ったら戻ったりのもどかしさを楽しむタイプの作品です。
現実においてはアニメ作品も放送延期が連発したこの時期。
立ち止まって一呼吸したのは作品や業界だけでなく我々もでした。
奇しくもそんな2020年春クールにて、視覚に頼れず音と想像で空白部分を埋めるラジオという媒体を扱った作品だったり、本作だったりが生き残ったのは偶然ではないのかもしれませんね。
例えば空白部分。画面にも映らなかった会えない時間に彼女らがどんなこと考えてたんだろう?とかを想像しながら、深まってく想いだったり徐々にズレてく想いを堪能できる良作だったと思います。



※ネタバレ所感
以下、当方ゲスモード全開でいきます。Wヒロイン評いってみよー!
不快な表現があるやもなので純粋レビュー止まりならここでブラウザバックすることを推奨します。


■(音無響子+関口さとみ)÷2

誰のことかすぐ頭に浮かんだあなたは立派な大人です。そう榀子センセですね。

{netabare}想い人を亡くしたことが重しになってこじれちゃってるのが共通項。気立てが良くて恋愛経験少ないのも似てるかしら。めんどくさいけどかわいいのが響子さんで鬱陶しいのがシナコさんです。{/netabare}
{netabare}そのかわいいと鬱陶しいを分かつものは関口さとみ成分の有無でしょう。関口さとみ自体の説明は割愛。どうぞ『東京ラブストーリー』をご覧くださいませ。シナコは天然というか自分に素直なだけなんですが、リクオを完全にキープ扱いしてますよね。外形だけみると地雷女以外の形容詞が浮かばない彼女の特徴は以下↓

・過去を引きずり過ぎ
 ⇒まだなにも始まってない相手への一方的な恋心だぜ?
・浪を甘やかしすぎ
 ⇒自分の居場所確保のために彼に言うべきことを言わない
・リクオを都合よく利用し過ぎ
 ⇒そのくせ「私が甘えてるだけなのよ」と本人に言ったりする
・自分からフッたのに怒る
 ⇒そのくせ「私たちそんな関係じゃないから別に」と言わずにいられない
・自分から告ったのに優柔不断
 ⇒なんだかなぁ{/netabare}

この上なく強烈な印象を残すキャラクターさんとなってしまいました。ロクなもんではありません。
…と言いながらかくいう私だったらホイホイついていくと思います。

{netabare}そして、「そんなつもりじゃないの…」とフラれる未来を想像して打ちひしがれるまでがワンセット。
普通の男…と言っても自分基準ですがなんといいますか口説けそうだと勘違いしてアタックしかけるでしょう。作中でも複数回チャンスありました(キリッ)。そこを全く行動を起こさないリクオだから良かったかと思いきやところがどっこい。断言してもいいですが「冗談、ゴメン忘れて」という態度をこちらが取ることができればリセット可能とふんでます。そしてこのテの方々は“まだ脈はある”と匂わせる行動を繰り返します。理由は

 考えてそうでなにも考えてないから

前後の行動の因果関係や会話で投げかけられた言葉の意味を理解できていません。他者への想像力の不足。これまで言い寄ってきた男もいたでしょうが亡者バリアが発動し見切りをつけられたいていの男は彼女の元を去っていって久しい。そのくせ異性の気配がないのはそれはそれで淋しいというのが露骨であり、その感情を整理なり処理できてるようには見えません。バリアをくぐり抜けた親族ロウと優柔仲間リクオくらいしかストックがない。逆にくぐり抜けさえしてしまえば言葉悪いけどちょろいです。あとは「こんなに思われてるんだからしゃーない」と自分を納得させたいだけでしょう。

要は“一線越えて上書きしてしまえばいーじゃん”という思想です。作中でもシナコ本人が自分で決断する怖さから判断をリクオに委ねる意思表示をしてましたがそこに乗ることのできないリクオというのがまた作品の味となってました。

と、これまでボロクソに言いつつされど惹かれてしまうやっかいな女性だと思われます。原作者の方女性と聞いて納得したのですが、シナコは女性のめんどくさい部分を詰め込んだような人。そこが良く描かれてます。このめんどくささってそのまんまめんどくさいんですけど一方でめんどくさいのが好きな人もいるでしょう。私なんかそのうちの一人ですよ。
そんな「いいですよね~めんどくさいの」と言い切れちゃうような某アニメに言わせれば南極向きな性格をしている男性陣はおおいに楽しんだらいいと思います。{/netabare}


■少女漫画に描かれた文脈でしか男を知らない人

誰のことかすぐ頭に浮かんだ人は残念なことに私と思考回路が似通ってるかもしれません。
そう晴ちゃんのことですね。

{netabare}まだJK年代だからいいけど早いうちに軌道修正してねという娘さん。カラスを手籠めにしている女性は古今東西、魔女しか私は知りません。{/netabare}
{netabare}家庭環境から妄想する偏見ですけど男女交際のロールモデルを想像できてないんだと思います。自分の“好き”という感情に直面した時に、まがりなりにも次の段階を想像できているのがシナコだとして、ハルにはそれがありません。
それでいて臆病なシナコとは対極的にハルは行動的です。想像してみてください。イメトレなしで試合に臨んだ時の惨状を。もしくはゴールや落としどころを描けずに商談に臨んだらどうなるかを。ハルのやってるのがまんまこれ。下手に行動力のある分ズレたらズレたであさっての方向に行ったまま帰ってこれない怖さがあります。

 一緒にいるだけで幸せ

彼女の好きになった理由が希薄なこともあるかもしれません。高校中退理由もなんだかよくわかりません。シナコに輪をかけてなにも考えてなさそうなのが彼女の危なさ。地雷臭しかしないでしょ?普通。

と、同じくボロクソに言いつつされどこちらも惹かれてしまうやっかいな女性だと思われます。
ただし理由はしょうもないところ。

 {netabare}好意もたれて嫌いになれるわけねーじゃん{/netabare}

ストレートな愛情表現を“素直”であると好意的な勘違いをしかけますが、彼女と一緒に描く未来が見えません。でも見ため可愛い子に好意もたれたらホイホイついていくスケベ心を私は隠さないですよ。
そんな抗えない下心を是とされる男性陣はおおいに楽しんだらいいと思います。{/netabare}



男二名のめんどくささも書くつもりでしたが息切れしました。野郎二人は中学生です。学校で教師を呼び捨てにしてマウント取ろうなんて高校三年生としては稚拙。黙って○○へ行け! …以上です。

ということでもう一度戻って女子二人。要は二人ともめんどくさくて二人とも魅力的なのです。
出来れば両方ともおつきあいしたいとゲスの極みなことを考えているのは私だけでしょうか。皆さんどの子がいいなぁという視点で観てるんでしょうか。その場合誰が人気あるんだろう?
最後に本作で自分だったらこの娘さんが一番いいなぁと思った人と理由をネタバレで挙げときます。
ズバリ当てたらすごいかも(笑)


{netabare}その子はリクオと4か月付き合ったという同級生の子{/netabare}

{netabare}迷わないですね。キタエリさんが声あてしてた娘です。次点はハルのバイト先のお姉さん。理由は↓

・言い寄られると弱いという自分の弱みを理解している
・そしておそらく経験を踏んで対処の仕方も心得ている(はず)
・育ちが良いので本人が遵守してるかはともかく社会常識の判断基準に世間とのズレはなさそう
・職能を理解しなんだかんだ生活するための目途をつけている
・例えばピアノできるのよ、のドヤ感が一切ない。わきまえてる
・居候先にリクオを選んだ選球眼と行動に移せるメンタリティ
・シナコやハルの様子を瞬時に察してフォローにまわれる観察力
・そしておそらく「一線越えてから考えよう」の割り切りの良さに聡明さを感じる


たぶん付き合ってて退屈しないし、結婚したらしたでしっかりするであろうと思われる。{/netabare}



この物語を鑑賞して思ったのは女のめんどくさいはかわいくて男のそれはどうでもいいということ。
次に主役四人組以外の登場人物はわりとまともだったこと。
あと言い忘れてたけど榀子センセなんかの比じゃないくらいこいつはダメだと思ったキャラがおります。さっき最後と言っといてすみません。断トツでした。

{netabare}そいつは早川父。

「いい加減解放してやれよ」

突き放してあげるのも大人の役割です。

携帯電話のない恋愛劇を懐かしむことのできた方々はこの父親と同年代くらいではないでしょうか。
どこかしら欠落した四人組にあーだこーだとマウントを取ろうとする前に、はたして自分がこんな早川父みたいな大人になってはいないか自省してみるのもよいのかもしれません。{/netabare}



視聴時期:2020年4月~6月 

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2020.07.04 初稿
2021.03.07 修正

投稿 : 2025/02/15
♥ : 68

63.8 3 同級生で恋愛なアニメランキング3位
合コンに行ったら女がいなかった話(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (63)
169人が棚に入れました
同じゼミの女子・蘇芳さんに合コンに誘われた大学生の常盤は、同じく合コン初体験の友人・浅葱と萩の2人を連れて、胸を高鳴らせながら待ち合わせの居酒屋へ。女性陣が先に店に着いたことを知って、待たせてはいけないと急いで席に向うと…そこには、眩く輝くほどイケメンな3人の姿が。男6人と女0人の少し違った合コンが今始まる!?
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

一見「イロモノ」だが、純粋にラブコメとして面白い

【レビューNo.167】(初回登録:2025/1/26)
コミック原作で2024年作品。全12話。
タイトルからして「どうせイロモノだろ」0話切りでしたが、ABEMAで一気見
配信していたので視聴してみたら、結構面白かったなっと。


(ストーリー)
大学生の常盤は同じゼミの蘇芳に合コンに誘われので、友達の萩と浅葱を連
れ合コン会場に到着する。
しかしそこには何故かイケメンな三人が座っていたのだ。
このイケメンたちの正体は
・「男装BAR」でアルバイトしている男装女子
・時間が押していたので男装のまま合コン会場に直行
常盤たちの気持ちの整理がつかないまま、合コンが幕を開ける。
そんな男子たちを尻目に終始蘇芳のペースで合コンは進むが、会合は意外に
盛り上がり6人は以降も交流を持つようになる。


(評 価)
・男女をきちんと平等に扱って、相乗効果も生み出している、
 男装女子のメンバーですが
 ・蘇芳
  男装BARでは「王子様キャラ」で女性をメロメロに
 ・琥珀
  男装BARでは「俺様キャラ」を試行錯誤中
 ・藤
  男装BARでは「無気力キャラ」というかほとんど素
 女性陣が美形イケメン的に描かれている(普段の女子の姿もかわいい)の
 に比べ、男性陣は(浅葱は天然扱いされているが)普通のモブっぽい感じ
 で描かれています。
 この手の作品だと、結構「女尊男卑」的に描くケースも多いですが、本作
 は男子も女子もきちんと平等に扱っているので、観ていて不快感がないん
 ですよね。

 またストーリー的もかなり早い段階から
 {netabare}・常盤×蘇芳
 ・萩×琥珀
 ・浅葱×藤{/netabare}
 とカップリングが成立(といっても友達関係だが)。
 でもそれぞれに思うところがあり、3組3様のラブコメ展開をみせながら、
 時々6人で集まってというこの辺の飽きさせない話運びがホントに上手い。
 またそれぞれの男女のペアリングも秀逸で、各ペア間でしっかりシナジー
 効果を生み出しているのは見事だと思います。
 
  
・コメディの間合いなど細かい演出も上手い
 本作のコメディのウリとしては、女子たちは普段でも結構男装シーンが多
 いので、それを活かした
 ・その状態で男子に絡むと、周りからは「BL」と勘違いされてしまう
 ・たまに女装姿でデートすると、男装姿が頭に浮かび「俺はどっちが好き
  なんだ!?」と男子が悶々としたり
 しかしこれも多用することなく、適切なタイミングで上手く放り込んでく
 るのでクドさがなく、面白く視聴できるんですよね。
 
 それに男装女子とはいえ、基本は男女間のラブコメを描いた作品です。
 全体を通して割と自然体で話が流れていくという感じで、この中に上手く
 笑いを組み込んでいくテクニックがホント秀逸。
 派手さはないものの、王道パターンを丁寧・緻密に創りこんでいるところ
 に非常に好感が持てますね。
 掴みがアレなので「イロモノ」という偏見を持ちがちになりますが、普通
 のラブコメとして十分面白い創りになっていると思います。


原作者は女性の方のようですね。
だから男性作者のようなガツガツして分かりやすいラブコメと比べ、女性キ
ャラ目線でのゆっくり恋を育てていくって感じの作品ですかね。
個人的には最初は常盤が主人公だと思っていたのですが、途中から実は蘇芳
さんではという感じでしたね。

自称「ラブコメハンター」の私としては、2025冬ラブコメ作品は駄作ぞろい
で残念な結果に終わりそうですが、こういう基本をしっかり押さえた作品を
見習ってほしいところです。

3組3様、それそれのペースで恋が進んでいる感じが心地よく、
「今後どうなるのか最後まで見守りたい」
そう思わせてくれる作品でしたね。
ただ作画に「低予算感」が滲み出てる点は勿体なかったかな。


ED『王様だーれだっ/ASOBI同盟』
・「黙れよ~その口塞ぐぞ~ちゅっちゅっ♪」とか耳に残るフレーズが秀逸!

投稿 : 2025/02/15
♥ : 13

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

なんだかターゲットが良くわからない話ですね

CMで見かけて、普通に女性向けの話なのかと思っていたのですが…。

男装女子と男子のラブコメ?
思っていたのと違いますね。

いや女居るじゃん。
まあ確かに合コン言ったら相手が宝塚系の男装女子だったりすれば反応にこまるのは確かですが…。

そんなの4コマ漫画で1ネタ書けばおしまいじゃないですか?
その内容で、既に何巻も続いているんですか。
…何をやっているんだろう?
と不思議になりました。

で、どのへんがターゲットなんでしょうかね。
男子は普通に女子が可愛い方が嬉しいと思います。

女子向けなら、普通に男子の方が嬉しいのでは。
なにかの手違いで、男と男で合コンすることになって、怒って帰ったりせずにヤケクソで合コンしてたら、意気投合して仲良くなっちゃって、そこから腐っていく方が女子的には熱いのでは?
男装女子が熱いってのもあるんでしょうかね?

まあ… 一発ネタ的な面白さはあったし、やり取りとかに、くすっと笑える程度の、それなりに面白さがあったのかもしれませんが、特に先を見続けたいほどの魅力は感じませんでした。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 0

いこ〜る さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

切り口を変えればもっと面白かったかもしれないけれど…

もし自分がこんな合コンに行っちゃったら?
と言う if を楽しめるなら面白く見れるかもしれません。
私は面白そうだから行ってみたいと思いました。

とにかく始まったばかりですからしばらく付き合いましょう!

- - - - - - - - - -

3話まで見ました。
なんとなく見方(楽しみ方)がわかってきたような・・いや単に慣れてきたのかな?
見た目はBLなんだけどホモでもバイでもなくヘテロだということに。

しかしよくこんなこと考えついたなと思います。
しかも出オチじゃなくちゃんと話が発展していくのいいですよね。

ではまたしばらく付き合わせていただきます。

- - - - - - - - - -

最終話まで見ました。
もうちょっとジェンダーとかルッキズム的なことに踏み込むかと思いましたがそうはならず。男装の麗人に好かれる、もしくは好く事への困惑あたりをウロウロしていた話でした。
だからクスッと笑って見てればいいお気楽作品に留まっていました。

それが悪いわけではありませんが、そうすると話としては凡庸でさらに作画レベルが低いのでいい点がつかないのは仕方ないですね。どこか尖った部分があればもうちょっと引もあったでしょうに惜しい感じがします。まあ尖ってないのは原作由来でしょうからどうしようもないです。

最後に男装の女性陣の中で誰推しかになりますが、琥珀ちゃんかなぁ・・。でも周防さんに翻弄されるのも捨てがたい・・(チャンチャン!)

投稿 : 2025/02/15
♥ : 1
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